医療通訳授業

薬剤に関する基礎知識

医薬品の分類

  1. 医療用医薬品 : prescription drug
    • 医師によって処方される薬
    • 新薬/先発医薬品ジェネリック医薬品/後発医薬品に分類される
      • 新薬 : original drug
        • 10年以上の開発期間と200-300億円もの開発費用がかかる
        • 特許期間は20-25年
      • ジェネリック医薬品 : generic drug
        • 有効成分が同じ(原産地は異なっても可)
        • 効能・効果が原則同じ
        • 用法・用量が原則同じ
        • 製剤の品質が同等
        • 新薬と異なる添加剤が含まれることもあるが、有効性や安全性が確認された有効成分を使っていることを前提に臨床試験は行わずに開発コストを抑えることで低価格の販売が可能となる
  2. 一般用医薬品/OTC医薬品 : over the counter drug
    • 処方箋無しに購入することができる
    • 要指導医薬品/スイッチOTC医薬品一般用医薬品(第1・2・3類)に分類される
      • 要指導医薬品/スイッチOTC医薬品 : switch OTC drug
        • 従来は処方箋が必要であった医療用医薬品を、OTC医薬品として新たに販売する医薬品である
        • 薬剤師が購入者の提供する情報を聞くとともに、対面かつ書面で説明を行う必要がある
        • インターネットでの販売は不可
      • 一般用医薬品
        • 第1類医薬品:薬剤師のみが販売できる
        • 第2・3類医薬品:薬剤師・登録販売者が販売できる

医薬品の剤形

最適な血中濃度を保つために薬剤ごとに用法・用量(dosage・administration)が定められている

内服薬
internal medicine
oral medicine
カプセル、錠剤、粉薬、シロップ
血中濃度を一定に保つために決められた時間に服用することが大切
外服薬
extarnal medicine
塗布剤、軟膏、坐剤、トローチ、点鼻薬、点眼薬
皮膚や粘膜の毛細血管から医薬品の成分を吸収させる
注射薬
injection drug
最も即効性がある剤形である。以下のように分類される
1. 皮内注射 : intradermal injection, i.d.
表皮とそのすぐ下の真皮の間に注射する
ツベルクリン反応・アレルギー反応の検査に用いられる

2.皮下注射 : subcutaneous サブキュテェィニアス injection, s.c
表皮と筋肉の間にある皮下組織の間に注射する
多くのワクチンやインスリンなどは皮下注射

3.筋肉注射 : intramuscular injection, i.m.
皮下注射では痛みなどが強い薬の時に行われる

4.静脈内注射:intravenous injection, i.v.
緊急時の救急処置として栄養補給や水分補給などの目的で用いられる
また、複数の薬剤を用いるとき、効果を長続きさせるときには静脈内点滴注射を行う

処方箋 prescription

  • 処方箋の有効期限は発行日を含めて4日間(日曜日や祝日を含む)と決められている。再発行は再発行は可能だが、その費用は保険適応外となる
  • 処方箋には患者の病名や症状は記載されていない!(薬剤師によるダブルチェックを行うため)
    • 保険者番号、名前、生年月日、性別、医師名、薬剤情報(名前、剤形、1回量、服用回数、タイミング)、ジェネリック医薬品への変更について、分割調剤の回数について、等が記載されている

服用について

服用タイミング

起床時
when you get up
起床後、食事の前
食前
before meals
食事の30分前
食直前
right before eating
食事の直前
食間
between meals
食事と食事の間で、前の食事の後から2時間後の空腹時
食直後
right after eating
食事の直後
食後
after meals
食事の30分後
寝る前
before you go to bed
寝る前30分~1時間前
頓服
as needed
症状が出たときだけ
  • コップ1杯の水で飲むことが原則となっている
  • グレープフルーツはカルシウム拮抗剤の作用を増強させるので注意!(消化管での吸収や代謝に影響を与える)

医薬分業

  • 院内薬局:医療機関内の薬局で受け取る
  • 院外薬局:院外の保険薬局に持って行って薬を処方してもらう。医薬分業がすすみ、医師は診察のみを行い、医薬品は薬剤師が担当するという考えが広まっているため院外処方が一般的となってきている。
    • 薬剤師によるダブルチェックができる
    • 薬剤の重複や飲み合わせをチェックできる
    • かかりつけ薬局で調剤すると薬歴管理による、重複投与の有無や併用薬との相互作用を回避することができる

お薬手帳

  • 使っている薬の名前・量・使用法・副作用歴・アレルギーなどを記録する手帳で、薬局で無料でもらえる
  • 手帳に記録するには費用がかかり、”薬剤服用歴管理指導料”として薬局の窓口で支払っている
    • 手帳を持参した場合:43点=430円(自己負担で129円)
    • してない場合:57点=570円(自己負担で171円)
  • 最近はアプリのお薬手帳もある

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